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透析治療は、腎臓の働きを100%カバーするものではありません。ゆえに体調を整え、日常生活をより良く送るためにも食事の制限は必要になります。腎不全保存期の食事療法を少し緩やかにしたものと考えていただければ良いと思います。
何を食べてはいけないというものはありません。量は加減する必要はありますが、大切なのはバランス良くしっかり食事を召し上がっていただくことです。
特にご高齢の方は栄養不足になりやすいので極端な制限をするよりも積極的に食事をとる工夫が大切です。
血液透析:1~2日おきの治療になりますので、水分・塩分・カリウムのコントロールが大切です。
腹膜透析:透析液に糖分が含まれていますので、エネルギーは控えめに。ただし、カリウムは透析液の中に出てしまうので野菜や果物の制限は緩やかです。
管理栄養士による栄養指導も可能です。食事管理に困ったことがございましたら、いつでもスタッフにご相談ください。
外食は1日1回くらいにとどめましょう。
外食時のポイントとしては、
1. 塩分の少ないものを選ぶ(漬物は食べない)
2. 水分の少ないもの(ラーメン、うどんの汁は残す、雑炊・おかゆは避ける)
3. 生野菜サラダ、お寿司などはカリウムに気をつける
4. 油で揚げてあるものを選ぶ
※下味に塩で味付けがされたものもあります。ソースなどは味を試してからかけましょう。減塩しょうゆや減塩ソースを携行すると便利です
善仁会グループでは「患者さま相談室」を設立しています。これは、透析患者さまが1日でも長く、住み慣れたご自宅での生活を維持できるようにと支援させていただく仕組みです。
ケアマネジャー(介護支援専門員)、医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)、コーディネーター(看護師/介護支援専門員)がチームを組み、多職種で皆さまのご相談に対応させていただきます。
詳しくはスタッフにおたずねください。
●加齢による日常生活の困りごとなど
通院透析をはじめとする入院加療後の生活の場さがし等は、コーディネーター(看護師/介護支援専門員)にご相談ください。
●介護支援が必要になったとき
その方らしい在宅生活を維持できるように、ケアマネジャー(介護支援専門員)が、介護サービスをプランしていきます。
●療養生活上の問題が生じたとき
日常生活を支援するため、様々な社会資源・制度を活用できるよう、医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)がご提案をさせていただきます。
下記の数値は目安です。個々の状態により適切な数値が異なります。
必ず主治医の指示に従って下さい。
食事療法を行う上での目安
※標準体重=身長(m)×身長(m)×22
■エネルギー
1日当り(27~ 39kcal ×標準体重)
■たんぱく質
標準体重×(1.0~1.2)g
■塩分摂取量
6g未満
※塩分摂取量とは、食品中に含まれる塩分と付加食塩量を合計した量です。
■水分
できるだけ少なくし、透析間の体重増加は中1日ではドライウェイトの3%、中2日では5%の増加量にとどめておきます。
■カリウム
取りすぎないようにしましょう。
■リン
1日[標準体重×(1.0~1.2)×15]mg以下
透析治療はお休みすることができません。
冠婚葬祭や受診の日などが血液透析予定日と当たってしまった場合、血液透析の予定の日をずらすことができます。スケジュール変更につきましては施設のスタッフとご相談ください。
(お正月や祝祭日もお休みではありませんので通常通り治療を行ってください)
旅行はできます。1泊2日の短い期間でしたら、血液透析の空きを利用して旅行が可能です。またそれ以上の期間の旅行になると旅行先で血液透析を受けていただければ大丈夫です。ただし、旅行先の施設が受け入れ可能であるか確認をするなど手続きにお時間がかかる場合もありますので、余裕をもって計画をしていただけるとよいでしょう。その際にはスタッフへお気軽にご相談ください。
また、海外旅行も旅行会社によっては透析施設の手配も代行してくれるところがあります。海外旅行前には血液検査などが必要になることが多いので、1か月以上余裕をもった申込みをお勧めいたします。
腹膜透析に関しましても、旅行先に透析液や備品を手配し、バック交換を行う場所を確保できれば問題なく旅行はできます。
血液透析では夜間透析(17:00~18:00開始、21:00~22:00終了)もございますので、職場との調整は必要になりますが、就業は可能です。また、横浜第一病院では深夜透析(21:00~22:00開始、5:00~6:00終了)も行っています。
腹膜透析ではCAPDの回数を3回にする、または、APDで夜間に間欠的に潅流を行うなどで就業や通学は可能になります。